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犬の椎間板ヘルニア 針治療って本当に効くの?

ミニチュアダックスの画像

あじな動物病院の中西です。この2年間で針治療をした椎間板ヘルニアの犬についてデータをまとめました。犬の椎間板ヘルニアで針治療について検討されている方は、参考にしてください。

 

 

そもそも針治療って何をしているの?

 

針治療って針を刺して何をしているのでしょう?

こちらは実際の針治療の症例。

www.youtube.com

 

 

人の話ですが、
「肩こり」、「腰痛」がある人で、
押すと気持ちいい場所、
あるいは「痛い!」という場所がありますよね。

 

だいたいそこが「ツボ」と呼ばれる場所。

 

特に押して気持ちいい場所の中で、
もっと深い場所をグリグリして欲しい、
という経験はありませんか?

 

気持ちいい「ポイント」が深い場所にある、
そこまで針を刺して、
グリグリ刺激するのが針治療だとイメージしてもらえれば、
特に怪しいことをしているわけではないのが伝わると思います。

 

第一段階 まず深い部分のコリをほぐす

犬の椎間板ヘルニアの場合は、
「マヒ」してしまって、
感覚が鈍くなり、
うまく使うことのできなくなった神経や筋肉があります。

 

第二段階 マヒした部分の「目を覚ます」


そのためにグリグリ・ツンツンと針で長い時間刺激をしたり、
あるいは電気を流して筋肉を動かします。

 

最終段階 体を動かす感覚を取り戻す。


立ったり、歩いたりがなんとか出来るようになれば、
針治療と併行して、

どんどん体を使って筋肉をつけていきます。

 

針治療で効果を出すためにはいくつかハードルがあり、

・目で見えない深い部分の「ツボ」に針を刺すのが難しい
・犬が「そこ気持ちいい」とは言ってくれないので、
 針治療の強さ、マッサージで言えば「もむ強さ」が難しい
・「気持ちいい」部分だけでなく、
 病気になった原因を治すツボを選ぶのが難しい

ここをクリア出来ないと効果が出ないので、
「針治療が効かない・怪しい」ということになってしまいます。

 

針治療のイメージは伝わったでしょうか?

 

犬の椎間板ヘルニア

 

犬の椎間板ヘルニアは、
腰の骨と骨の間にあるクッションの中身が飛び出して、
背骨の中の大切な神経「脊髄」を圧迫してしまい、
・強い痛み
・歩けない・立てない
・排泄がコントロール出来ない
という症状が出てしまった状態。

 

飛び出してしまったクッションを手術で取り出し、
押されている神経を救い出してあげるのが根本的な治療になります。

 

しかし、
・全身麻酔が必要
・骨を削って穴を開けなければならない
という犬への負担が。

 

手術をせずになんとかならないかな

という飼い主さんのご要望に答えるべく、
麻酔なしで出来る治療の1つが「針治療」です。

 

犬の椎間板ヘルニアは針治療で本当に治るの?

 

あじな動物病院での2年間の針治療の成績をご紹介します。

 

歩き方がおかしい、
足が痛い、立てない・・・など、
針治療を希望して来院されたワンちゃんが66頭。

そのうち椎間板ヘルニアが疑われた犬は「47頭」した。

 

治療成績ですが、
47頭中 40頭が回復
6頭は途中で来院されなくなり判定不能
1頭はゆるやかに進行中

 

私の針治療の回復率は85%という結果でした。
(来院されなくなったワンちゃんも、
良くなっていてくれていると嬉しいのですが)

 

週に1〜2回の針治療で、
2週間以内に回復する犬が29頭
3週間以内に回復する犬が33頭でした。

 

椎間板ヘルニアの重症度別では、


グレード1:腰の痛み
11頭 うち10頭回復

グレード2:ふらふらするがなんとか歩ける 
21頭 うち18頭回復 1匹が症状進行

グレード3:歩けない・立てない 
9頭 うち7頭回復

グレード4:歩けない・立てない、排便排尿がコントロール出来ない
6頭 うち5頭が回復

グレード5:注射の針を骨まで刺しても全く感じない、完全麻痺。
2年間で来院なし

 

これらの結果から「犬の椎間板ヘルニア」対して、
針治療は効果的な治療の1つであることがわかって頂けると思います。

 

ちなみに針治療で効果が出やすい犬種は、

ミニチュアダックス、ペキニーズでした。

逆に効果が出にくかったのは、

パグ、フレンチブルドッグ、キャバリアです。

 

愛犬が椎間板ヘルニアになってしまい悩んでいる方の、
選択肢の1つになれば幸いです。

 

おうちで出来る犬の椎間板ヘルニアの予防対策

日常生活で腰に負担をかけない工夫や、元気な椎間板を保つ工夫がとても大切です。

 

ポイント1 フローリングの床で滑らない工夫を

フローリングの上で暮らしていると日々の生活で滑ってしまうことが多く、 腰に余分な負担がかかってしまいます。 犬が家の中で滑らない工夫、 ソファやベッドの登り降りで腰に負担をかけない工夫がとても大切です。 

◯じゅうたんを敷く ◯子供用のマットを敷く 

◯犬用の滑らないワックスを塗る(すべらないワン)

 

すべらないワン!ワックス スターターセット

すべらないワン!ワックス スターターセット

 

 

 

ポイント2 適度な運動で筋肉をつけよう

椎間板ヘルニアに限らず、関節の負担を減らすには筋肉がとても大切です。 足場の良い所でしっかり散歩をし、 良質のタンパクをとって筋肉を維持しましょう。 散歩にゆるい上り坂や、ゆるい下り坂を取り入れて下さい。

 

ポイント3 お水にこだわってみよう

動物の体の60-80%は水分で出来ています。 キレイな水をしっかり摂り、 血液をさらさらにし、悪いものをドンドン体から出しましょう。硬度が30~40以下の軟水・天然水がおすすめです。 

 

d-monkey.hatenablog.com

 

 

ポイント4 元気な椎間板を作ろう

最後に、元気な椎間板・筋肉を作る食事を大切に。 柔軟な椎間板を維持するには新鮮な食材が大切です。5kgの犬でウズラ卵1日1個、ココナッツオイルティースプーン1杯、必須脂肪酸EPA+DHAを1日100mg以上を積極的に摂ることをおすすめします。

 

ウズラ卵の話はこちら

d-monkey.hatenablog.com

 

必須脂肪酸DHA,EPAの記事はこちら

d-monkey.hatenablog.com

 

小さくて飲みやすいクリルオイル

OMEGA3+(オメガ3)クリルオイル

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まとめ

椎間板ヘルニアになってしまったワンちゃんに、針治療は選択肢の一つとしてとても有効な治療法です。犬が椎間板ヘルニアになってしまい治療に悩んだときは、手術が得意な先生と針治療が得意な先生、両方の意見を聞いて、ワンちゃんに一番良い選択肢を探してあげてください。

 

あじな動物病院の針治療のページも参考にしてください

www.ajina.net

 

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