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見極める力・感じる心 D-monkey’s style

ペットとあなたの元気を応援 獣医さんが綴る犬猫の健康ブログ

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犬に最もストレスが少ない耳の治療薬「オスルニア」、嫌な治療は動物病院にまかせましょう

犬の笑顔の画像

犬が耳をバタバタ、ただよう謎の臭い。茶色の耳垢(みみあか)が出て耳の中が真っ赤に腫れる「犬の外耳炎」。獣医さんが1週間に1回薬を入れるだけで、簡単に治る便利ができました。

 

 

犬の外耳炎の薬・オスルニアって何?

 

「オスルニア」というのが新しい「犬の外耳炎」の治療薬です。今までの薬との決定的な違いは、「獣医さんが1週間に1回、耳に薬を入れるだけ」。2回1セットで治療が終了します。

 

犬も飼い主さんも(獣医師も)、とても負担が少ないです。

 

入れるときはサラッとしているのに、時間がたつと粘度が増して薬がしっかり耳に残る特殊成分で作られています。

 

1回入れれば1週間通院の必要なし。先もやわらいソフトな加工で薬を入れるのが痛くない。犬に優しい治療です。

 

犬の外耳炎治療の革命です。

 

耳垢をエサにして悪さをする、カビの仲間・酵母菌をやっつける抗真菌剤ーテルビナフィン(水虫の薬といえばわかりやすかも?)
ブドウ球菌を始めとする細菌を倒す抗生物質ーフロルフェニコール(抗生物質)
痛み・腫・痒みをおさえるステロイド剤ーベタメサゾン酢酸エステル

 

以上が主成分です。

 

商品のセールスマンみたいになっていますが、このお薬のおかげで外耳炎の犬のストレスが本当に少なくなりました。

 

f:id:d-monkey:20160831112046p:plain

 

痛くて痒い犬の外耳炎治療、犬のストレス激減

 

<今までの犬の外耳炎の治療の模様>

 

犬が頭を振ってしきりに耳を掻く。けれど耳の中が腫れているので痛くてキャーーーン。耳の中は悪臭のする茶色の耳垢でギッシリ。一般的な犬の外耳炎の症状です。

 

さてこの耳垢をキレイにして、薬を奥に入れたいのですが・・・、

 

犬は耳が痛いので、キレイにするどころか触られるのも嫌。耳に手が触れると大暴れ・・・。

 

しかし治療しないと良くならない・・・ということで、飼い主さん、看護婦さん、はては力のある若い獣医さんで犬を押さえて、たまった耳垢を洗いだし、キレイになった所で耳の中に薬を入れてようやく治療終了。

 

これで終わりじゃありません。ここからは毎日飼い主さんが耳に薬を入れるか、耳が良くなるまで毎日通院するか・・・。

 

これが今までの犬の「外耳炎の治療」の風景でした。

 

もう、大変です。

 

飼い主さんも、看護婦さんも獣医さんも汗だく。犬はあまりにストレスで、毛がごっそり抜け落ちた、嵐の後の診察室。

 

そんな苦労を一瞬にして吹き飛ばすのが「オスルニア」。

先をギュッとひねって耳の中に入れるだけ。

 

おしまい

 

オスルニアがあれば、「嫌なことは全て動物病院で終了」

ここが一番のポイントです。

 

お家ですることは何もなし。嫌なことをする悪者は獣医さんだけ。犬も飼い主もストレスフリー。とても良い薬ができましたね。

 

犬が外耳炎になるはなぜ?

 

犬の耳の中を触ってもらうと、指に脂がつきますね。古くなった耳の表面の角質、皮膚ならば「フケ」ですが、耳の中の脂が合体して「耳垢」になります。(正確には耳垢腺から出る分泌物も混ざります)

 

耳垢をエサに酵母菌や細菌が増えると、「外耳炎」になります。

 

菌が増えやすくなる原因は、

・垂れ耳で耳が蒸れやすい
・食事の中の「油」が体に合っておらず、
 耳の中に存在している脂の質が悪い、あるいは量が多い
・アレルギー体質で皮膚が弱い
・耳の中に毛が生えていて、たえず耳垢がこびりついている
・胃腸が弱く体に湿気がこもりやすい
・乾いた物ばかり食べて体がカラカラ、皮膚のバリアが弱っている
・虫に刺された、植物でかぶれた

色々な要素がからみ合って外耳炎を起こします。

 

東洋医学では、体の中に湿気がたまってしまったり(胃腸が弱ってる、食事が合わない)、腎臓が弱っている(免疫力の低下)というつながりで耳の病気を考えるので、腎臓を元気にする方法と胃腸の負担を減らす食事を耳の治療と一緒に考えます。

 

外耳炎を予防するには?

 

耳毛が奥まで生えている場合

「定期的に切るか抜くか」

抜くのは結構大変です。


私が診療で使っているのは「鼻毛切り」。

これでざっと外から見える耳毛をカットすると、

抜かなければならない毛が減るので、

犬の負担が随分減ります。

 

貝印 関孫六 薄刃ハサミ セーフティ HC1840

貝印 関孫六 薄刃ハサミ セーフティ HC1840

 

 


奥の毛は仕方が無いのでエイヤッと耳毛抜きで抜きます。

 

耳が垂れている


まめにのぞいて臭いを嗅ぎ、
酵母菌が増えていないかチェックしましょう。

べとべとが強いときは耳垢をお掃除。

あまりこすりすぎないように注意。

 

 

 

耳の中が脂ぎっていて蒸れやすい

食事の原材料の「油」に注意。動物の油ばかりだと「ギトギト」しやすく、酵母菌や細菌が増えやすくなります。


必須脂肪酸たっぷりのお魚の油と、血液サラサラ、血管強化の植物油もバランスよく取りたい所です。

 

ドライフードばかりだと、体が乾燥気味になり血液もドロドロ、皮膚の脂もギトギトしやすいので注意が必要です。消化の良い食事を工夫し、体に湿気がこもらないようにすることも考えなければなりません。

 

「外耳炎」を繰り返す

「アレルギー」のチェックが必要。皮膚のバリアが弱い、炎症を起こしやすい犬は、食事、生活環境、ストレスの発散、総合的にケアが必要です。耳の問題だけではありませんね。

 

耳の中を酸性寄りに保つと、酵母菌も細菌も増えにくくなるので、天然素材で耳のケアをするのもおすすめです。

 

d-monkey.hatenablog.com

 

 

オスルニアが効かないときは?

 

酵母菌や細菌が原因の一般的な「外耳炎」ではないのかも。

・耳の中に異物がある(草の実など)
・ポリープ、腫瘍ができている
・外耳炎ではなく中耳炎(鼓膜の奥まで菌が侵入している)
・上手く薬が入っていない
・薬が合っていない(薬剤耐性菌がいるーオスルニアの成分では原因の菌が死なない)
他の病気を探す、治療の変更を検討する必要があります。

 

特にコッカースパニエルなどの犬種は、耳垢を出す「耳垢腺」のトラブルが遺伝的に多いので注意が必要です。

 

まとめ

 

オスルニアの登場で、ぐっと犬と飼い主さんの負担が減った犬の外耳炎治療。
もちろん治癒率もアップしています。

 

耳が臭う、痛い、痒いときは、ひどくなる前に「オスルニア」。


パっと動物病院へ行って、サラッと治療してもらいましょう。

 

ちなみに私は、犬が耳を痛がる・腫れがひどいときはまず鎮痛剤または消炎剤を出して、痛みと腫れが引いてからもう一度病院に来てもらい、それから耳に薬を入れる「やんわり二段階治療」派です。