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ヒゲ犬先生がつづる犬の健康ブログ

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かゆがる犬の新対処、安心の無添加石けんが皮膚を守る

犬, かゆがる, 石けん

あじな動物病院の中西です。かゆがる犬のためのシャンプーはたくさんありますがいまひとつ効果がない。そんなときに試したいのが<天然素材の無添加石けん>です。皮膚の汚れをしっかり洗浄、殺菌効果とかゆみをやわらげるハーブで症状を緩和、最後に皮膚を保護するバリアまで作る優れた石けんがあるのです。なぜ犬を洗う必要があるのか?なぜ石けんは皮膚を守ってくれるのか?石けんの秘密に迫ります。

 

私と石けんとの出会い

毎年、寒い季節になると、私には2つの悩みがありました。
・仕事で使うアルコールで手の脂が無くなりカサカサのバリバリ
・皮膚が乾燥して衣服がチクチクしてかゆい

「もういいおじさんだし仕方ないかなぁ・・・。」とあきらめかけてたある日、飼い主の方が旅行の土産にニュージーランドの無添加石けんをくれました。

石けん, ニュージーランド, マヌカ, 昆布

それまで私が石けんに持っていたイメージは、
・泡立ててのが洗うのが面倒
・洗ったあとの仕上がりもカサカサでバリバリ
という悪いものだったのですが、材料にマヌカハニーや昆布などが使われていて面白そうだったので試しに使ってみたのです。

 

無添加の石けんを使うようになってからは手の皮膚に膜ができたようになり、仕事で使うアルコールに手が負けなくなりました。


髪を石けんで洗うとすすぐときにキシキシしますが、乾かすとサラサラでとても元気な髪になりました。

 

あれ?子供の頃に使っていた牛◯石けんと随分印象が違うぞ・・・!?

 

かゆがる犬用の無添加石けんが動物病院にあったことを思い出し、まずは自分の体を使って実験してみました。使ってみるとあら不思議、乾燥肌のかゆみが「犬用の石けん」でみるみる楽になっていきました。

OH、これはすごいYO

目から鱗が落ちた思いの私は、高齢で皮膚の弱いワンちゃんやアレルギー性皮膚炎で痒がる犬に無添加の石けんを試してもらいました。

大好評です。

かゆみや匂いの減るケースが相次ぎました。

 

飼い主さんがくれた一つの石けんが、私に犬の皮膚とシャンプーの関係、そして石けんを見直すきっかけをくれたのです。

 

いったい無添加の100%天然成分で作られた石けんと、犬のシャンプーの何が違うのでしょう?

 

石けんとシャンプーの違い

石けんとシャンプーは、材料と作り方から全く違っています。無添加石けんは「天然の油」を原料にアルカリを反応させ、手間と時間をかけてゆっくり作成します。

シャンプーは石油と植物油を原料に、化学的に「合成界面活性剤」を作りそこに香料などを加えます。石けんに比べ早く安く大量に作ることが可能です。

自然に存在するものだけで作られた石けん、化学的に合成されたシャンプー、この違いが効果の差を生みます。 

石けんとシャンプーの洗浄力の違い 

犬, シャンプー, 石けん


洗浄力について比較する前に、なぜ犬を石けんやシャンプーで洗うのか?一緒に考えてみましょう。

 

 犬の皮膚には古くなった皮脂や角質、付着した汚れ、花粉やハウスダスト、雑菌、ウンチやおしっこ、汗由来の塩分などがジワジワたまっていきます。これらは臭いを発生させ、皮膚の弱い犬では刺激となってかゆみが起こるため、洗い流す必要があるのです。

 

しかし、湯水で洗い流せるのは汗の成分、古い角質と垢くらい。皮脂や油汚れ、余計な雑菌などは水で洗っても落ちません。石けんやシャンプーは界面活性剤と呼ばれ、汚れを浮かせて水に溶けやすくする力を持っています。湯水では落ちない汚れや雑菌を石けんやシャンプーで洗い流し、皮膚を刺激する物質を減らします。

 

 かゆがる犬用の低刺激シャンプーには皮膚への刺激を抑えるため、洗浄力の弱い「アミノ酸系界面活性剤」が使われています。皮膚への刺激は弱いかわりに洗浄力も弱く、しつこい汚れや雑菌が十分に除去できません

 

一方、石けんは皮膚のトラブルを起こす汚れをしっかりと「必要で十分なだけ」落としてくれます。皮膚を守るために必要な皮脂は残してくれるのです。

 

洗浄力が石けんよりも強力なベトベト肌用の強力なシャンプーは、皮膚を守るために必要な皮脂までガッツリ落とすため、洗った後がカッサカサのバッリバリに。

 

天然素材で作られた無添加石けんは、弱すぎず強すぎず、不思議と丁度よい洗浄力で犬の汚れを落としてくれます

 

皮膚のバリアと石けん

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低刺激シャンプーは、洗浄力が弱く皮膚に優しい・・・のですが、化学的に皮膚にくっついて残りやすい性質があります。皮膚に残ったシャンプーは、正常な皮膚のバリアを作る邪魔をします。化学物質に過敏な犬では、低刺激どころか皮膚が真っ赤になって余計にかゆくなってしまうことも。

 

一方、石けんは汚れを落としたあとに皮膚に保護膜を作ります(皮脂由来の脂肪酸と反応して「過脂肪」となり膜を作る)。こうなると石けんには「界面活性剤」としての働きがなくなり、洗い流されたあとの皮膚に「石けん分」は残りません。石けんの「洗浄力緩衝作用」と呼ばれています。

 

余計な汚れをしっかり落とすのに、必要な皮脂は落としすぎ、最後に保護膜を作ってくれる。天然材料で作った無添加の石けんだけが持つなんとも不思議な働きです。

 

実際に自分の体に使ってみると、「スッキリ汚れは落ちる」感覚と、楽にすすげて皮膚に余計なものが残らない感触がとても心地良いです。

 

石けんのデメリットとは

犬用のシャンプーには毛がフワフワ、サラサラになるためのトリートメント成分が入っていますが、天然の石けんにはそういったものが全く入っていません。石けんで洗ったあとに毛をすすぐとキシキシと指通りが悪いです。

 

毛の長い犬種ですすぐときのキシキシを緩和するために「リンス」をすると良いでしょう。石けんは「弱アルカリ性」なので、「弱酸」で中和するとキシキシが緩和され毛の表面がきゅっと引き締まります。

 

実際に使うのはリンゴ酢やクエン酸です。

リンス液の作り方
洗面器1杯のお湯に小さじ1/2のクエン酸 臭いが無いので使いやすい
洗面器1杯にリンゴ酢だと大さじ2杯 酢の臭いがツーンと

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  • 発売日: 2012/02/09
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

 

また石けんの威力を十分に発揮するにはしっかり「泡立てて」から使うのですが、この泡立てる作業がシャンプーより手間です。泡立ってネットを使いましょう。

 

かゆがる犬のために作られた石けん

いらないものをしっかり洗い流し皮膚を守ってくれる無添加の石けんに、かゆみを抑え、雑菌の繁殖を予防するハーブを加えたものがニュージーランドから来た「かゆがる犬用の石けん」。海外は犬に良いものが本当に多いなあ。

 材料に含まれるハーブをご紹介します。

 

マヌカとカヌカ

マヌカ, 花

マヌカ
ニュージーランド原産の低木。抗菌作用と抗炎症性及び抗ヒスタミン特性を持つ。抗炎症、ヒスタミン作用=かゆみを緩和する作用です。
カヌカ
マヌカと似た特性を持ち、とりわけ高い抗真菌性を誇ります。アレルギーのある犬では「マラセチア」とよばれる真菌がいるとかゆみが出やすい犬がいて、抗真菌作用はとても大切な特徴です。 気持ちを落ち着かせる効果も持っていて、かゆみによる「イライラ」も鎮めてくれます。

 

レモンマートル

レモンマートル

「レモンよりレモンの香りがする」植物として知られます。リラックス作用がありカヌカとともにかゆみのイライラを緩和します。抗真菌の効果と、ティーツリーの約2倍の抗菌力も持っています。

 

ニーム

ニーム

インドでは「薬剤の木」として知られるハーブ。 抗炎症、抗菌、殺虫効果有り。赤みや炎症を起こした皮膚のかゆみを軽減し、ノミやダニなどの虫が嫌がる自然の忌避剤。

 

パームオイルとココナッツオイル

ココナッツオイル

石けんのベースとなっているのがパームオイルとココナッツオイルです。
パームオイル
皮脂に組成が近く、皮膚になじみの良い石けんを作るために必要な油です。保湿や皮膚の老化防止に役立つと言われています。
ココナッツオイル
天然の抗菌物質、ラウリン酸を豊富に含む油です。泡立ちを良くする効果、洗浄力を高めるのに一役買っています。

 

かゆがる犬用のシャンプーを使っているのに改善が見られないときは、天然素材で作られた無添加の犬の石けんが役立つかもしれません。

 

まとめ

天然の無添加石けんは、
・汚れをしっかり落とす
・皮膚に保護膜を作る
そこにかゆみをおさえるハーブを加えたワンコの石けんは、シャンプーで改善の無いかゆがる犬にぜひ試してもらいたい一品です。

皮膚が乾燥する冬には「皮膚を守る」作用が、じめじめした梅雨時期は、雑菌の繁殖を抑えるために汚れをしっかり落とす石けんの洗浄力が役立ちます。
この機会に石けんを見直してみてはいかがでしょう。