見極める力・感じる心

ヒゲ犬先生がつづる犬の健康ブログ

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肉が消える日 ドッグ・フードの材料が「コオロギ」になる

アードウルフの画像

(出典 Wikipedia アードウルフ)

あなたは自分の飼っている犬の食事の材料に、
「コオロギ」と書いてあったらどう感じますか?

近い将来、コオロギの粉末が大豆粉末や肉・卵の代わりに

使用されるかもしれない・・・というお話。
虫が苦手な方は読まないでくださいね。

 

 

そもそも犬は昆虫を食べて良いのか?

犬に近縁のハイエナ科の動物にアードウルフ(ツチオオカミ)という動物がいます。

(冒頭の写真)
鳥のヒナなども食べますが、主食は「シロアリ」です。

そんな種もいるので、

栄養学的には犬が副食として昆虫を食べても問題はありません。

以前治療していた犬で、

「自己免疫性血小板減少症」と、

全身の「ニキビダニ症」を持っている子がいました。

自分の体を守る細胞が、

血を止める材料の血小板を壊してしまう病気で、

治療のための「免疫調節剤」を飲むと、

副作用で「ニキビダニ」が大増殖してしまい、

影響を受けた皮膚の毛がごそっと抜けてしまう難病。

頭と足先以外に毛が残っていません。


このワンちゃん、

夏になると「セミ」をたくさん拾って食べていました。

そしてセミを食べている期間だけ、

全身の毛がフサフサ。

だから犬に昆虫がいいと、いう論拠にはなりませんが、
少なくともこのワンちゃんには「セミ」がとても良い栄養源でした。

 

なぜコオロギ食の話?

アメリカにコオロギの粉末入りのプロテインバーを作っている会社があります。

wired.jp

 

昆虫食への投資が世界では増えている。
こちらの記事でペットフードや家畜飼料のタンパク源にコオロギ粉末・・・、
との記載があったのが今回の記事を書いたきっかけです。

世界では20億人以上に昆虫を食べる文化があります。
そして世界の人口は70億人を超え、100億人になるのも時間の問題。
食料問題として、肉を作るよりコストが少ない、
昆虫の方がタンパク質源として良いよね?という流れです。
ちなみに

肉を1kgに必要な穀物飼料が8kg。
昆虫1kgあたりに必要な飼料は2kg。
しかも、家畜の糞より温室ガス排出も少ない。

 

「世界の食料危機は昆虫が救う」
がバイオベンチャー企業の方向性。
北欧がものすごく頑張っているようですね。
50万匹を1つのコンテナで養殖するようです。
写真の掲載はやめておきましょう・・・。

フランスでもコオロギ・バー。

「コオロギ・バー」が高級食品店に並ぶ日は近い « WIRED.jp

 

食糧危機で肉が高騰すれば、
ドッグ・フードの材料も肉から昆虫に変わります。
そして食卓の肉も昆虫に変わるでしょう。
どうしましょうか?

そういえば昔、

ハンバーグの肉にミミズを使っている・・・

なんて都市伝説がありましたね。

 

コオロギの薬効


あなたもコオロギなんて食べたくないはないでしょうが、
そんな時代が「かなり高い確率で」来る予感。
仮にタンパク質源が「コオロギ」になってしまったとして、
コオロギの「食薬」としての効果を調べてみましょう。

 

コオロギは薬としての呼び名は蟋蟀(シツシュツ)。
利水消腫・清熱解毒。
体から余分な水分を取り除く。
腫れを引かせるなどの効果。

おねしょや尿が出にくいときに使用。

 

例えばドッグ・フードのタンパク源が「コオロギ」になったとき、
この薬効がどう作用するのかなという懸念はあります。
西洋医学の利尿剤などと違って、
漢方の利水薬というものは「余分な水分」しか追い出さないはずですが、
過剰に摂取とどうなるかは謎です。

 

アリの方が良いのでは?

 

薬効だけ考えるとアリの方が良いなーと私は思うのですが。

食用アリの薬効です。

免疫力アップ、老化防止、炎症を抑える。
性機能を増強。喘息を止める。肝臓の保護。
食べ続けるならこちらの方が良いように思いますが。

 

蟻の難点は、一匹一匹が小さいので、
食料にするには「高すぎる」ということですね。
良質なものでは15gで2000円超。
やっぱりコオロギなんですかね・・・。

 

日本にはミドリムシがあるじゃない!?

 

昆虫を食べるのがいやなら・・・、
有望視できるのがユーグレナ(ミドリムシ)ですね。
虫じゃなく「藻」ですから、クロレラみたいなものです。
食べるのに嫌悪感は全くありません。

必要なのは太陽と水と二酸化炭素ですし。

 

現在1g=380円くらい。
蟻よりは安いですね。
肉よりは・・・はるかに高い。

コオロギに勝てるか、

頑張ってくださいユーグレナ。

 

最後に


薬膳をからめたり、

犬の話に置き換えてやんわり書いたつもりですが、

いずれ食事のタンパク源に昆虫が名を連ねるのは時間の問題でしょう。

私はセミの一件があるので、

犬の昆虫食自体に悪い印象はありません。 

あ、セミの薬効ですが文献がほとんどありません。

心臓の薬としてあぶって食べる・・・というものがわずかにある程度。

セミの抜け殻は蝉退(せんたい)として、

皮膚病の治療に使われるのですが。

 

あなたが食糧問題を真剣に考えるきっかけになってくれれば幸いです。

 

 

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