寒さがゆるんで犬の散歩がとても楽しい季節になりました。
せっかくの散歩が悪夢に変わらないよう、
散歩中の拾い食いで、
特に気をつけたいケースを今回は4つ選んでご紹介。
茂みに顔を突っ込んだ犬、顔についていたのは・・・
砂浜を全力で駆ける犬。
のどこかな日曜日。
人気の無い砂浜を、
リードを外して犬を自由に。
すると、草むらの中へ。
突然「キャイ~ン」と鳴き声が。
慌てて駆けつけると犬の口から釣り糸が・・・。
口から血を流した犬を抱えて、
青い顔をした飼い主さんが語った出来事。
「釣り針」は、
刺さったときに抜けないように、
「返し」という部分があります。
この「返し」のせいで、
簡単に抜けません・・・。
切り開いて抜くか、
貫通させて、
返しを切らなければならない。
犬や猫では、
麻酔をかけないと、
とても痛くて処置できません。
飲み込んで、
のどに引っかかっているケースは、
周りを傷つけずに抜くのが本当に困難。
川や海で犬と遊ぶときは、
釣り針に要・注・意。
公園のベンチの下でモグモグ、その後・・・
犬友達と楽しく会話に花が咲く近所の公園。
ヒマを持て余した愛犬が、
ベンチの下で何やらモグモグ。
家に帰ると突然ヨダレを垂らして吐き始めました。
翌日落ち着いたかどうか、
犬の様子を見に行くと、
立ち上がることも出来ずぐったり。
慌てて動物病院に来られたというケース。
血液検査で肝臓の数値が振りきれ、
エコー検査では胆嚢と肝臓が異常に腫れていました。
「薬物か毒物の中毒」。
病院に来た時には、
既に毒物が全身に悪影響を及ぼし、
3日の入院治療の甲斐なく亡くなってしまいました。
可哀想ですが実話です。
それから更に2頭、
同じ公園から毒物による中毒を疑う犬が来ました。
亡くなった犬のことがありましたので、
その2頭は最初から全力で毒物による中毒の治療を行い、
幸い命をとりとめました。
「毒ダンゴ」が、
公園のベンチの下に置かれているケースだけでなく、
釣り針入りのソーセージ、
殺鼠剤入りのジュースなど、
悪質なケースをたくさん見てきました。
人の目からは見えにくい、
公園のベンチの下、
本気で注意!
愛犬を守って下さい。
バーベーキューの跡に落ちていたのは・・・
バーベキューをした形跡がある公園の芝生。
犬が何やら臭いを嗅いでいます。
「何してるの?」
オーナーが声をかけた途端に「ゴクリ」。
何を飲んだの?
そのときは気づかなかったのですが、
家に帰って犬を見てみると、
明らかにお腹がいびつな形。
出っ張っている部分を触ると明らかに硬い。
え?え?え?
あわてて動物病院へ・・・。
胃の中に入っていたのは太い「竹串」。
あまりに美味しい串焼きや焼き鳥が落ちていると、
取られまいと丸飲みする犬がいます。
細くて尖った串などは、
胃を突き破って内蔵に刺さるケースも。
手術をして串を取り除いても、
手遅れだったケースが、
残念ながらあるのです。
拾い食いだけではなく、
事故の予防のために、
焼き鳥を犬の目の前では、
食べない方が良いです。
「臭いだけだぞー」と、
犬の目の前で焼き鳥をちらつかせていたお父さん。
焼き鳥を串ごと奪われ、
丸呑みされたケースがあります。
全身麻酔で内視鏡です・・・・。
休みで浮かれた、
酔っぱらいにも要注意。
何かを拾い食い、その後吐き気が止まらない・・・
桃の種。
梅干しの種。
小型犬がよく飲み込んで腸に詰まります。
しかも腸に詰まるまで気づかれない。
突然げーげー吐き出して止まらなくなります。
丁度あの形が、
胃からは出ていくけれど、
腸で詰まる形です。
しかもレントゲンに映りません。
バリウム検査か超音波検査が必要。
「腸閉塞」・・・。
残念ながら手術しかありません。
家のゴミ箱は、
簡単にはフタが開かないものを選びましょう。
出来れば犬が出入りできない場所に置きましょう。
桃の種はかじって遊ばせない。
目の前で食べてしまったら、
吐かせる処置も選択の一つ。
腸に詰まってお腹を切るよりましです。
最後に
今回は特に印象的だった4つのケースを取り上げました。
他にも、
犬や猫の目線で世界を見ると、
ペットが飲み込めるサイズの物は
たくさん落ちています。
クリップ、画鋲、縫い針、
綿棒、ペットボトルのキャップ、
ボタン、壊れかけのネズミのおもちゃ、
ズボンの腰ヒモ、キーホルダー、
おもちゃの指輪に消しゴムなどなど。
手術や内視鏡で取り出した異物は数知れず。
中毒を起こす食べ物も、
あげたらきりがないので別の機会に。
拾い食いとゴミ箱漁り、
兎にも角にも気をつけましょう。
小学校1年生の時の私の同級生は、
外で虫を見つけると、
片っ端から食べてました。
アブやハチが大好物。
今は元気にしてるだろうか・・・。