あじな動物病院の中西です。ドッグフードだけでは愛犬の体がカサカサと乾燥しないか心配になりませんか?水分たっぷりで新鮮な酵素やビタミンを含んだ食材をトッピングして栄養バランスを整えてあげてみましょう。今回は、「簡単」「栄養たっぷり」「美味しい」の3つの視点から、ドッグフードのトッピングを選んでみました。愛情たっぷりのトッピングを犬のごはんにのせて、梅雨と夏をのりきりましょう。
- ドッグフードに足りないもの
- 第1位 たまご つるっと最強
- 第2位 ヤギミルク 中鎖脂肪のエナジードリンク
- 第3位 甘酒 美肌に美髪に老化予防
- 第4位 鮭 サーモンピンクは伊達じゃない
- 第5位 ブルーベリー 手軽に美味しい夏のオヤツ
- 第6位 トライプ くさくて美味しい犬専用トッピング
- 第7位 ブロッコリー マッチョもおすすめ野菜
- 第8位 納豆 血液サラサラ、整腸食材
- 第9位 カッテージチーズ あっさり高タンパク
- 第10位 昆布粉 甲状腺の健康と毛ヅヤのために
- 梅雨・夏限定ランクイン スイカ
- まとめ
ドッグフードに足りないもの
ドッグフードにトッピングするものを考えるのに、まずはドッグフードに足りないものを考えまてみましょう。
水分と生命力に欠けるカリカリフード
ドライフードを「カリカリごはん」と呼んだりしませんか?。ドライフードは長期保存ができるように乾燥しており、水分が無いためカリカリに仕上がっています。
つまり、ドッグフードに最も不足しているのは、水分なのです。
もう一点、ドライフードは調理されてから時間が経っているため鮮度が足りません。生きている獲物は、体の中の「酵素」の働きで食べたものをエネルギーに変えて生きています。
生きている間だけ、新鮮なうちにだけ存在する栄養素があるのです。
鮮度が足りない
=生命力が足りない
=酵素やビタミンが壊れて足りない
以上をふまえると、トッピングには「水分豊富」なもの、「鮮度の良い」ものを足すと良さそうですね。
サプリメントではなくトッピングをすすめる理由
サプリメントではなくトッピングをオススメする理由は、
一つの栄養素だけをたくさん足しても、あまり意味がない
からです。
例えばトマトの赤い色素リコピン、
体に良い成分とされていますが、サプリメントとしてリコピンを大量にとっても体に良い効果は得られません。リコピンだけではなく、トマトに含まれる食物繊維やビタミン、酵素などを一緒にとること、リコピンは体に良い効果を発揮します。
水分が豊富で鮮度の良い食材をトッピングすることが、犬を元気にするのです。
「いや〜忙しくて食材そろえるのも調理も無理だわ」と思われるかもしれません。
そこで今回は、
・簡単に手に入る
・栄養バランスが良い
・おいしい
この3つの視点からドッグフードのトッピングを10に絞ってご紹介します。
第1位 たまご つるっと最強
旬:春
注目の栄養素 : コリン
玉子には脳や神経を元気にする栄養素「コリン」が豊富に含まれています。玉子に含まれるビタミンB12と一緒に脳の老化を予防し、認知症の改善も期待される栄養素。
ひよこになる材料が全て入っている、つまり生き物に必要な栄養素がそろっている最強のトッピング食材が玉子です。
たまごの殻を割らない限りは新鮮な栄養が生きたままで、どこの家庭の冷蔵庫にもある素晴らしい食材。ドッグフードのトッピングランキング堂々の第一位。
5kgの犬で半熟卵が1/3個程度。鶏のたまごにアレルギーがあるときはうずらの卵で1日1個くらいが目安です。
第2位 ヤギミルク 中鎖脂肪のエナジードリンク
旬 春から秋 子ヤギを育てる季節
注目の栄養素 : 中鎖脂肪酸
ヤギミルクの脂肪分には、一般的な油よりもすばやく吸収され、4倍早くエネルギーになる中鎖脂肪酸が含まれています。胃腸の弱った犬の栄養補給に、高齢犬の脳のエネルギー補給に注目度ピカイチの栄養素。
乳牛と違ってヤギは雑草や木の葉や樹皮なども食べるので、ヤギミルクはミネラル、微量元素、ビタミンがとても豊富です。人の栄養ドリンクに含まれるアミノ酸、「タウリン」は牛乳の約20倍含まれています。子ヤギも元気に育つ、犬の栄養ドリンクがヤギミルクです。
水分と生命力をもらうなら、冷凍のヤギミルクが美味しさもピカイチ
第3位 甘酒 美肌に美髪に老化予防
旬: 夏
注目の栄養素 : コウジ酸
人では「美白」成分として注目されているコウジ酸。コウジ酸は細胞の部品が糖分とくっついて仕事ができなくなるのを防ぎます。
甘酒は、生きたコウジ菌(アスペルギルス・オリゼー)がお米をせっせと分解、ブドウ糖やビタミンB群、アミノ酸、コウジ菌由来の消化酵素をたっぷりを含んでいます。食欲の落ちたワンコにおすすめの「飲む点滴」が甘酒です。
5kgの犬で大さじ1杯程度。そのままでは濃いので水やお湯などで倍くらいに薄めると程よいお味。
犬と甘酒についてもっと知りたい方はこちらの記事を参考に
第4位 鮭 サーモンピンクは伊達じゃない
旬:秋
注目の栄養素:アスタキサンチン
サーモンピンクの「赤い色素」。それがアスタキサンチンで、体が錆びるの防ぐ「抗酸化作用」が強力。
鮭の油は、体に良い油の成分であるDHAやEPAを豊富に含んでおり、脳や関節の老化を防ぎ、アレルギーなどの炎症を起こりにくくする効果を持っています。
旬の季節以外は、塩気の無い鮭を探すのが大変なので、オメガ3脂肪酸の多いイワシ、ニシン、サバ、サンマ、かつおやアジで代用します。
5kgの犬で、週に2回大さじ2杯がお魚トッピングの目安です。
忙しいときは、無塩の鮭フレーク
鮭が無いときは無塩のサバ
第5位 ブルーベリー 手軽に美味しい夏のオヤツ
旬 : 夏
注目の栄養素:アントシアニン
ブルーベリーにはポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれ、抗酸化作用=体が錆びるのを防ぐ作用がとても強力。
ブルーベリーはビタミンEやβカロチン、レスベラトロール、デルフィニジン、シアニジンなどの抗酸化物質も含んでおり、体を錆び(さび)と老化から守る最強の果物です。
ブルーベリーは梅雨や夏のワンコのお手軽オヤツで、冷凍のものが年中利用できるのも高評価。
第6位 トライプ くさくて美味しい犬専用トッピング
旬:通年
注目の栄養素:消化酵素
トライプとは草を食べる動物の胃袋です。トライプには草を分解するための消化液や消化酵素、分解を手助けする乳酸菌を始めとする善玉菌達が豊富に含まれています。
犬の胃腸を元気にするトッピングとして、草食動物が消化・吸収しやすくしてくれた栄養素を含む胃袋(トライプ)は理想的な補助食です。
「臭い」がとんでもないので手軽さは☆2つ。どんな臭いかは試してみてのお楽み。犬は大喜びなんですけどね犬は・・・。
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缶詰の臭いが「無理」という方はフリーズドライなら臭いは控えめ
第7位 ブロッコリー マッチョもおすすめ野菜
旬 : 11月から3月
注目の栄養素:スルフォラファン
ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、体内の解毒力や抗酸化力を高める効果が絶大です。ビタミンCやEの抗酸化作用は短い時間しかもちませんが、スルフォラファンの抗酸化作用は約3日間持続します。
ブロッコリーのビタミンC含有量は100gで人の一日分が摂れるほど豊富で、他にも葉酸、ビタミンE、ビタミンK、食物繊維の豊富な野菜です。糖質の分解に必要なビタミンB1、脂質の分解をサポートするビタミンB2、筋肉の合成に必要なビタミンB6なども含んでおり、マッチョなお兄さん御用達のお野菜がブロッコリーです。
新鮮なブロッコリーをさっと茹でてあげるのがベストですが、いそがしいときは冷凍ブロッコリーもあるのでとても便利。
第8位 納豆 血液サラサラ、整腸食材
旬:1〜2月
注目の栄養素:ナットウキナーゼ
血栓を溶かす強力な力を持った納豆の酵素がナットウキナーゼ。犬が食べることのできる数少ない血液サラサラ食材が納豆です。ナットウキナーゼは口の中で悪玉菌がバリアを作る働きを邪魔する効果もあり、お口の健康にも役立ちます。
納豆菌は、乳酸菌やビフィズス菌などのおなかの善玉菌の増殖を手助けし、一緒に腸内環境を整えてくれます。納豆の持つビタミンB群は老廃物の代謝を助け、ビタミンK2は骨を作るタンパク質の働きを活性化。
愛犬と手軽に一緒に食べられる日本古来の健康食材です。ネバネバを食べた後の犬や食器の扱いが大変なので手軽さは☆3つ。
第9位 カッテージチーズ あっさり高タンパク
旬 :春と秋
注目の栄養素:消化しやすいタンパク質
さっぱりとした味わいで高タンパクの食材がカッテージチーズ。カルシウムも豊富に含みます。
カッテージチーズを作る過程で牛乳に含まれる「乳糖」が取り除かれるため、牛乳よりおなかを壊しにくい特徴があります。塩分も少なく、病気の犬の手作り食によく使われる食材です。
「塩」を使わずに作れ犬に安心な食材なのですが、手間がかかるので手軽さは☆1つ
手作り無塩カッテージチーズ
材料:牛乳200ml レモン汁大さじ1
1 牛乳を小鍋に入れてふつふつとしたら消火。ぬれ布巾の上で冷ましながらレモン汁を少しずつゆっくり加え、ゆっくりかき混ぜる。
2 10分程混ぜたら10分放置
3 広口のカップにコーヒーフィルター装着。2を流し入れる
4 しばらく放置して水気がなくなったらチーズ完成。(参考 秋川牧園 手作りカッテージチーズ)
第10位 昆布粉 甲状腺の健康と毛ヅヤのために
昆布の旬 7−9月
注目の栄養素:ヨウ素
昆布はヨウ素を豊富に含んでいて、「甲状腺」の健康にとても大切な食材です。甲状腺で作られるホルモンは、新陳代謝の促進、体温の調節、脳の活性化や心臓や胃腸の活性化など幅広く活躍します。
昆布は鉄分やカルシウムを豊富に含み、赤血球を元気にして体の隅々の細胞まで酸素を運ぶ手助けをします。昆布のネバネバ成分は傷ついた組織の修理や、健康な皮膚や毛の維持に役立ちます。
犬は食事をよく噛まないので、
・細かく刻む
・粉末の昆布をふりかける
・出汁を取って食事にかける
ひと工夫必要です。どれを選んでも手間がかかるので手軽さ☆1つ。
パウダータイプの昆布の粉を使うときは
体重5kgの犬で1日に小さじ1/4程度です(製品によりけり)。
少量ずつコツコツあげましょう。与えすぎるとヨウ素が過剰になるので要注意。
梅雨・夏限定ランクイン スイカ
旬:5〜8月
スイカは水分が90%でミネラルと糖分のバランスも良く、食べる点滴。
スイカには体から熱と湿気を取り去る作用があり、汗をかけない犬にはピッタリの食材です。
体にたまった老廃物を追い出すデトックス作用も持っています。疲れてだるい体にたまった悪いものを、スイカの水分でおしっこにどんどん追い出しましょう。
スイカを食べて熱を取り、スイカのベッドで涼しく眠る
まとめ
あなたのおうちのトッピングはランクインしていましたか?
最初は家の料理で使う食材をドッグフードにトッピングするところから始めてみましょう。
次に愛犬の食事に水分を補うために、味付け前の野菜や肉・魚を煮たスープ、昆布やしいたけの出汁を犬の食事にかけてみましょう。(ネギ類が入っていないかしっかり確認してください)
今回はトッピングの「旬」も記載しました。食べ物の旬は、その食材が一番おいしく栄養豊富な時期です。その季節で安く手に入りやすい食材=体においしい食材です。
ぜひ愛犬と一緒に旬の食材をご賞味ください。
ランク外のオススメ食材
あさりやしじみ : タウリンたっぷり
緑イ貝 : 関節が元気に
にんじん : βカロチンの代表
りんご : 皮ごとあげて胃腸も元気
さつまいも :甘くておいしいおなかの掃除
鶏胸肉 : 疲労回復物質が豊富
キャベツ : キャベジンの名前の由来、消化酵素が豊富