ある日、音声セミナーを聞いて頭を鈍器で後ろから殴られたような衝撃を受けたこと。
「鍼灸の師匠が、畑でしおれていたキュウリをずっと眺めていた。
すると突然、キュウリに針をブスッと刺したんですよ。
まさかと思って夕方に見にったら、キュウリが元気になってるんですよ!!!!」
はい????!!!!
普通の人なら奇人変人的なおかしさを感じるかもしれない。
実際に鍼灸治療をしている身にすると、
ものすごい衝撃。
自分がいかに「常識の壁」にしばられるか実感した一瞬。
人・犬に鍼治療は目に見えて効く。事実として。
筋肉・神経系・血管系・リンパ系、東洋医学では気の流れ。
それがある生き物ならおそらく鍼治療は全てに効果がある。
哺乳類に効くなら、鳥類もいける。鳥もOKなら爬虫類、両生類。そして魚類。
そこまでは私でも想像可能。
「動物」と「植物」の壁。
試してもいないのに「効くはずがない」という「常識」
そしてまだ「頭で考えて」治療している自分。
「考えるな、感じろ」、どこかの映画のセリフだったかと思いますが、
医療はとかく頭で考えることに偏りがち。
「わしはただ、ここが針をうって欲しいと感じただけじゃ。」
ある技術をつきつめて、実践と出た結果、それをまた帰納して・・・・。
無限に繰り返される中で、思考は洗練されて、一瞬の感覚に集約されていく。
見て、感じ、考える前に動く。
サッカーのプロ選手がパスコースが浮かんだ瞬間に、
ゴールまでのイメージが出来てるのと同じような、
それを考える前に既にパスを体が出しているような一瞬。
遠いが、日々の一瞬に集中し、感じ続けるしか無いのだろう。