あじな動物病院の中西です。突然ですがゴリラの握力はなんと400〜500kgf。そのムキムキな体を支える食事は果物や昆虫、なんだか意外な気がしますよね。対して猫は100%肉食、お肉をもとにしなやかな体を作ります。さて、犬に適切な食事とはなんでしょう?ここからは、犬の食事を元気に変える「わんこの栄養学」セミナーのご紹介です。
おしらせ
わんこの栄養学
〜犬に病気を招くタンパク不足と無駄な糖質
ベトベト油から老化とゾンビ細胞まで〜
2022年4月13日(水)12:45より(約120分)
開催場所:ZOOMオンライン(終了)
セミナー動画の購入はこちらをポチッと↓
わんこの丈夫な肉体、それは元気な食事から
わんこの歯周病、3歳をすぎると約7割の犬で見つかると言われています。なぜこんなに早くトラブルが起こるのでしょう。歯磨きをしないから?しかし、野生動物では歯周病があまり見られません。丈夫な歯茎を支えているのはコラーゲン、タンパク質の一種です。
私がわんこのお口のトラブルを招く一番の原因と考えているのは、
良質なタンパク質の不足
歯周病の多い犬種として、ミニチュアダックスとトイプードルが有名です。どちらも「狩猟のお供をしていた犬」を小型化しています。ご先祖様は狩りを手伝い、タンパク質がたっぷりの新鮮なお肉を食べていたはずです。しかし、ドッグフードの広がりにより、過度に調理されたお肉や、穀物・豆由来のタンパク質を摂取する割合が増えました。
ミニチュアダックスが遺伝的に椎間板ヘルニアが多いことは有名です。椎間板の材料も、やはりコラーゲン。しかしダックスフントだけではなく、トイプードルでのヘルニアの発生も増えています。つまり、犬のタンパク質不足はとても深刻だと私は考えています。
ドライフードを食べたことはありますか?
ちゃんとお肉の味がするもの
砂をかじるような味のしない謎の塊
油の臭みが口に広がり気持ちの悪くなるフード
かじってみると、フードの材料の質が良くわかります。「油の臭み」という単語が出たので、脂質の話を少々しましょう。
トイプードルを始めとする毛が伸び続ける犬種、毛に栄養を取られるのか肌のトラブルがとても多い印象があります。弾力のある肌を作るのはタンパク質の役目ですが、皮膚の表面の潤いを保つのは皮脂=油です。体に悪い油の多すぎる食事をしていると、皮膚がベトベトして雑菌が繁殖し、トラブルの原因を作ります。体に良い油が不足すると、乾燥してカサカサの肌になってしまいます。
犬に病気が多いと、遺伝のせい、あるいは体が弱いからと言われますが、本当にそうなのでしょうか?
お肉と骨を煮込んだスープを加えるだけで、見違えるように元気になるわんこがいます。毎日の食事に半熟卵を加えるだけで、弾力のある皮膚がよみがえる犬がいます。
犬の元気な体を作り上げているのは、毎日の食事です。食事の中の栄養素を意識することで、予防できる病気がたくさんあります。
質の良いタンパク質とは何でしょう
体に悪い油、良い油の違いはなんでしょう
なぜ糖質は肥満を招くのでしょう
一緒にわんこを育む栄養について考えてみませんか?
私はわんこ達が美味しそうにゴハンをハムハムと食べる姿を見るのがとても幸せです。その食事が犬の体にとっても美味しい、健康に役立つものであって欲しいと願っています。そこで、栄養学が小難しい学問ではなく、犬と暮らす飼い主さんの幸せをお手伝いする身近なツールになってくれるよう、犬の栄養学のセミナーを企画しました。
ここからは、犬の飼い主さんの質問から生まれたわんこの栄養学セミナーの、具体的な内容についてお伝えします。
どんなセミナーなの?
まずは三大栄養素と呼ばれるタンパク質、脂質、炭水化物、そしてビタミン・ミネラルと犬の健康について、飼い主さんの実際の質問を交えながらお伝えしていきます。その後、老化や病気と「ゾンビ細胞」のお話、そして「フィセチン」や「ケルセチン」といったゾンビ細胞に対抗する栄養素の豊富な、果物や野菜にまつわるトピックをお伝えします。
犬は肉食?雑食?〜食の柔軟性が招いた誤解〜
犬にとって炭水化物は必須の食べ物ではありません。
犬の消化器病を専門にしているアメリカの大学の獣医師も、ホリスティックケアを謳う海外の獣医師も、一様に同じ言葉を並べます。
犬は肉食獣ですが、100%肉食である猫と比べると10〜20%ほど、炭水化物を頑張ってエネルギーに変えて利用できます。「頑張る」と書いたのは、炭水化物の代謝が本来は得意でないからです。
人間と一緒に暮らすことで炭水化物を摂取とする機会が増え、処理しきれずに余ったエネルギーが肥満や病気を招くようになりました。代わりにお肉が足りない、タンパク質が足りないこために体がもろくなっています。
犬の栄養学を始める前提として、犬の食性について考察します。
タンパク質 丈夫な体を作る屋台骨
犬の丈夫な体を作ろう!と考えたとき、一番大切な栄養素はなんでしょう?それは、
タンパク質
タンパク質の中でもコラーゲンは体を作るタンパク質の約30%を占めていて、弾力のある皮膚、丈夫な骨や筋肉、つるつるの関節を作る屋台骨となっています。コラーゲンは三重らせん構造により驚くべき強度を持っているだけでなく、圧力を伝えたり、電気が表面に流れる性質を持つなど、新たな発見が相次いでいる大切なタンパク質です。
消化酵素を始めとする酵素もタンパク質から作られています。わんこの栄養学の手始めは、犬とタンパク質のお話から始めます。
・タンパク質とは 〜フードのタンパクが粗末なのはなぜ?〜
・タンパク質と酵素のお話
・タンパク源の特徴ーわんこにオススメのお肉とは
・タンパク質と調理ーフード、手作り、生食の比較
・タンパク質と長生き遺伝子
嫌われる油 脂質をクリーンなエネルギーに変えるには
ダイエットの敵と言えば、揚げ物、ケーキ、アイスクリームなどなど。共通していることはなんでしょう?
脂質が多い=カロリーが高い。少ない量でたくさんのエネルギーが得られるのが脂質の特徴です。肉食獣である犬にとって、脂質は炭水化物より利用しやすい大切なエネルギー源です。
一口に油と言いますが、植物が作る油、魚の油、お肉の油、性質が全く違います。体に良い油と悪い油の違いをはっきりさせ、脂質を有効に利用する術を考えます。
・脂質とは
・ややこしい脂質を分類してみる 長さ、働き サラサラとドロドロ
・わんこの体に良い油と悪い油
・ホルモンの材料としての脂質
・脳の老化と脂質
炭水化物ー避けるべき糖、善玉菌へ贈りたい複合糖質
「炭水化物」には、動物のエネルギー源となる単糖、二糖、デンプン質、そしておなかの善玉菌のごはんとなる食物繊維が含まれてます。このためとても誤解が多い栄養です。しかも、人間の食品にはタンパク質、脂質、炭水化物の割合が必ず記載されているのですが、犬の食べ物には、「炭水化物」の割合だけ記載のがありません。何の意図でしょう。
そんな誤解や疑問の多い炭水化物について、肥満の元凶である糖質と、善玉菌の食事=食物繊維について分けて理解を深めます。
・炭水化物とは?
・ドッグフードと穀物と 〜糖の過剰が招く肥満、おなかのトラブル〜
・犬(の腸内細菌)におすすめの食物繊維
・炭水化物と調理と発酵
・体が焦げる?糖化のお話
ビタミンとミネラル 犬で気をつけたい栄養素とは
ドッグフードは何かの栄養素が不足すると大問題となるなめ、しばしば油に溶けやすいビタミンAやDが過剰になる傾向があると言われています。逆に手作りごはんでは油が嫌われ、油に溶けやすいビタミンAが不足しやすいという報告があります。
ミネラルについては、手作り食では「カルシウム」が不足しやすすく、ドッグフードでは亜鉛がうまく犬が利用できず、逆に銅が蓄積しやすいというデータがあります。
どういったビタミンやミネラルについて気をつけるべきか、代表的なものをピックアップしてご紹介します。
・ビタミンとミネラルのお仕事
・酵素とビタミン、ミネラルの関わり
・ビタミンとミネラルを補うわんこの味方は
raw meaty bone & organs
老化とゾンビ細胞、犬の栄養学最前線〜フィセチン・ケルセチンのお話〜
イギリスの科学雑誌「ネイチャー」で、分裂をしないが死にもしない、奇妙な老化細胞を「ゾンビ細胞」と表現しました。炎症を起こす物質を出して周囲の細胞を老化(ゾンビ細胞化)させて仲間を増やし、組織や内臓の機能を低下させていきます。
セミナーの最後に、犬の飼い主さんがゾンビ細胞に手段の一つとして、ゾンビ細胞を抑える成分、フィセチン、ケルセチンなどを含む食材や利用法をお伝えします。
・老化のメカニズムとゾンビ細胞
・フィセチン・ケルセチンという名の対ゾンビ物質
・フィセチン、ケルセチンが豊富な食材
・犬と笑顔で暮らすこと
セミナー終了後も質問が可能です。
セミナーの日程に都合の合わない方、繰り返しセミナーを見てしっかり学習したい方も安心して申し込めるように、録画した動画のURLを後日配信いたします。
・セミナー当日は仕事があってライブで見られず、質問ができない
・他の人が見ている前では質問しにくい
・セミナーを聞くするのに必死で、すぐに質問が浮かばない
そんな方のために、セミナー後もFacebookグループやメールにて質問を受ける場をご用意し、質問にお答えするフォローアップ動画を随時お届けしていきます。前回開催したセミナーでは、セミナー本編の動画の他、14本のQ&A動画をお届けし、参加者から頂いた100以上の質問に実際にお答えしました。
ちょっと内容が難しそう・・・と感じた方も、気になるトピックがあれば気軽にセミナーに参加して、どんどん質問してください。
お申し込みはこちらから
ここまでお付き合いいただき誠に有難うございました。セミナーに参加したいなと感じていただけたら、こちらより申し込んでいただけたらと思います。
わんこの栄養学
〜犬に病気を招くタンパク不足と無駄な糖質
ベトベト油から老化とゾンビ細胞まで〜
2022年4月13日(水)12:45より(約120分)
開催場所:ZOOMオンライン(終了)
セミナー動画の購入はこちらをポチッと↓
演者紹介
こんな人がセミナーを開催します。
ゾンビ細胞といちごについてお届けしたYoutubeの動画です。
わんこのの丈夫な体を支えるコラーゲンとボーンブロス