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ヒゲ犬先生がつづる犬の健康ブログ

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遺伝子栄養学に基づいた、ダイエットの基本とは?

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今日は最新の「遺伝子栄養学にもとづいたダイエット」のお話。
人も犬も、
ダイエットの基礎は遺伝子レベルで一緒。

 

 

 

 

遺伝子栄養学って何?

 

太りやすい体質の人は、
「肥満遺伝子」を持っていることが近年の遺伝子解析でわかっています。
この肥満遺伝子が「オン」になると、
ちょっと甘いものを食べただけでもすぐ脂肪になります。

 

この遺伝子スイッチのオンやオフ、
そして食事との関係を明らかにする学問が「遺伝子栄養学」です。

 

つまり・・・
やせる遺伝子のスイッチをオンにする食材を食べればやせる!
という話になるわけですが、
さてさて真実はどうでしょう???

 

肥満遺伝子を持っていると必ず太るの?

 

20万人にもおよぶ、
肥満遺伝子と肥満についての研究が2011年に行われています(Kilpeläinen, 2011)

 

その研究でわかったことは、
肥満遺伝子を持っていても太らなった人は、
「日常的に運動をしていた」という事実。

 

当たり前のように聞こえますが、
ここで大切なこと。

 肥満遺伝子を持っていても、
 スイッチをオフにする方法がある

これ、とても重要なことです。

 

肥満遺伝子、あるいはガンの遺伝子についてでも良いのですが、
そのスイッチを「オフ」にできれば、
肥満になりにくい、

ガンになりにくい状態を維持できるということがわかっています。

 

ダイエットに話を戻すと、
脂肪燃焼の遺伝子をオンに出来れば、
適当にダイエットするより痩せやすくなります。
そして肥満遺伝子がオフの状態を維持しすると太りにくくなります。


リバウンドしない。


遺伝子のスイッチを意識することで、
健康な状態を維持しやすくなりますよ、ということですね。

 

ちなみに太りやすい遺伝子を持っている犬種は、
・バセットハウンド
・ビーグル
・ボクサー
・ケアンテリア
・キャバリア
・コッカースパニエル
・ダックスフンド
・ドーベルマン
・ゴールデンレトリバー
・ラブラドールレトリバー
・スコティッシュテリア
・シェルティ
・ウェスティ  (以上 Byers et al., 2011より)
となっています。

 

逆にサイトハウンド系の犬とジャーマンシェパードは遺伝的に太りにくいようです。

 

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遺伝子と食事の話をする前に

 

ダイエットで一番ありがちなのが、
カロリーだけ減らす。
食事の量を減らす。

確かに一時的にやせますが、
必ずリバウンドします。

 

なぜか???

 

「体の側」から考えてみます。
生物は、生き残ることを最優先に体内では代謝が行われています。

 

食事が足りない、カロリーが足りない = 飢餓状態
飢餓状態 = 「命の危険」

 

これはまずいよ!!!


ということで、
次に食事が入ってきたら、
何かあった時のために出来る限りためこんでおこう
というスイッチが入ります。


つまり・・・


肥満遺伝子スイッチON!!!!


全身全霊をもってエネルギーを溜め込みます。
太る太らないという見た目は関係なし。
「生き残ること最優先」

 

一口の生クリームが体脂肪に、
そのクッキーが皮下脂肪に、
肉体の細胞が総力をあげて食事を脂肪に変えます。

 

つまりダイエットする上で重要なこと。


脂肪を急に落とすこと目標にしない = 体を飢餓状態にしない

 

筋肉を増やして基礎代謝をあげ、自然と脂肪が燃えるダイエット法が成功の秘訣

 

細マッチョで健康 = 肥満遺伝子オフ

そうすると健康遺伝子もオンになり、

リバウンドしにくく、健康な肉体が出来上がります。


適度に運動してタンパクをしっかり取り、
筋肉を落とさないようにしながらダイエット

 

これが遺伝子栄養学に基づいたダイエットの基本です。

言われると当たり前のようなのですが、

遺伝子解析もそれを実証していると。

 

犬の場合は獣医さんに体を触ってもらい、
筋肉の量と理想体重を計算してもらうことからスタート。

 

人は体脂肪計つきの体重計にのって、
体重だけではなく脂肪の量も測定することが大切。
筋肉は減らさず、脂肪を減らす。

 

飢餓スイッチ押しちゃダメ。
肥満遺伝子のスイッチ入れちゃダメ。

 

遺伝子栄養学に基づいた、ダイエットに良い食材悪い食材

 

まずダイエットの敵から。

 

悪い糖質
・白い砂糖!!!!!!!!!!!!!!
・ゴハン特盛り、パスタ大盛り : 高GI値の炭水化物

 精製された真っ白な穀物

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敵は「油」ではありません。

 

血糖値が急激に上がる糖質・炭水化物が非常にまずい。
「高GI値の食材」というやつですね。

デンプン質と砂糖の多い食材。

 

細胞レベルの話になると、
肥満だけではなく、
体の至る所で「炎症」が起きやすくなる食材でもあります。
つまり、「病気になりやすい」ことが、
遺伝子の解析からわかっているのです。

 

「炎症誘発性食材」とも言われるほど、

高GI値の糖質は気をつけねばなりません。

 

美味しいんですけどね。
ほどほどに。

 

犬のダイエット用のドライフードに関して言うと、
肉と油を減らしてカロリーを制限してあるのですが、
原材料のほとんどが炭水化物と豆だったりします。

 

糖質が減らないと体重はなかなか減りません。
下手をすると筋肉だけが減って痩せにくくなる悪循環に・・・。

 

さあ気分をかえて、

 

体に良い糖質

・フルーツ
・野菜
・豆類
・キビ、キノア、ソルガム、グルテンフリーのオーツなどなど

ポイントは食物繊維が多いということ。
糖の吸収がゆるやかで血糖値が上がりにくく、

脂肪になりにくいです。

 

悪い糖質のところでも血糖値の話が出ましたが、
血糖値の急上昇がなぜいけないのでしょう??

 

血糖値が上がると「インスリン」というホルモンが出て血糖値を下げます。

 

血糖値が下がる = 血液の中の糖が、体の細胞に移動
体の細胞へ移動した「糖」は、脂肪組織で脂肪になります。

 

インスリンは脂肪を蓄える手伝いをし、
そして脂肪の分解を邪魔します。

 

糖質を取るなら良い糖質をとって、
インスリンにはなるべくお世話にならないようにすることが大切。

 

インスリンのスイッチはオフ

 

さて本題。


脂肪と闘うスーパー食材

その1 ココナッツオイル

他の油と大きく違うのは、すぐに燃える。体にたまらない。
そして新陳代謝をアップして、体にたまっている脂肪も一緒に燃える。
ミラクル食材。犬も大好き。

脳も健康になるミラクルオイル。
免疫力もアップするスーパー食材です。

 

 犬は一日ティースプーン一杯

人は大さじ1−3杯目標に

レインフォレストハーブ 有機JASオーガニックバージンココナッツオイル 500ml 1本

レインフォレストハーブ 有機JASオーガニックバージンココナッツオイル 500ml 1本

 

 

 

その2 ω3脂肪酸 = お魚の油

脂肪燃焼・遺伝子のスイッチをオンにする食材です!
やりました。きました。オメガ3脂肪酸。

 

イワシやサーモンをしっかり食べる。
サプリメントもお手軽ですが。

 

「抗炎症」効果も素晴らしいです。
皮膚の健康やアレルギーの犬や人に。

 

病気の予防に一役も二役も買ってくれます。
血液サラサラになって心臓も元気に。

 

5kgの犬でEPAとDHAを合わせて一日150mg程度が目標です。

 

オキアミから取れるω3脂肪酸

 

OMEGA3+(オメガ3)クリルオイル

OMEGA3+(オメガ3)クリルオイル

 

 

 

その3 Lーカルニチン

アミノ酸です。
肝臓や腎臓で、リジンやメチオニンから作られます。
筋肉を増やして、脂肪を減らしてくれます。
ダイエットにとても大切。

ヤギ、牛、ラム、マトン、鹿の肉に含まれています。

そう、
お肉しっかり食べましょう!

筋肉つけないとダメなんです。
そしてアミノ酸取らないと脂肪は燃えないんです。

 

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肉ってダイエットの敵みたいな時期がありました。
大腸癌になりやすいとか。

 

不正解

 

果物・野菜・肉・魚・卵・乳製品をしっかり摂って、
悪い糖質を控える。

 

正解。

 

その5 良質なタンパク源

ダイエットのためだけではなく、
細胞は脂肪とタンパクがとても大切な材料です。
良い材料が健康の、そしてダイエットの秘訣。

・乳製品(出来れば羊やヤギ)
・卵(有機、放牧)、ウズラの卵
・魚(イワシやアラスカ産のサーモン)
・放牧で育った元気な動物の肉と内臓

少しずつこだわりの感じられる文面になっているのですが、
家畜飼料に含まれる成長ホルモン、抗生物質、
加工食品に含まれる着色料、保存料、防カビ剤、殺虫剤、
どれも遺伝子に影響を与えてしまいます。

 

遺伝子に傷がつく。
傷ついた遺伝子が暴走する。

 

スイッチのオン・オフがおかしなことになります。
困ったことです。
脂肪をたくわえる肥満遺伝子だけでなく、
食欲をコントロールするスイッチや、
燃焼スイッチもおかしくなります。

 

こわいこわい・・・。

 

ヤギさんチーズ。ワインと一緒にどうぞ。

 


まとめ

脂肪とカロリーが制限されただけの食事ではやせません。

 

悪い糖質を減らして、
元気な果物、野菜、豆やキビなどから糖質を取る。

 

良いタンパクをとって適度に運動。
筋肉を増やす。

 

犬としっかり散歩して、
一緒にタンパクを摂る。

 

間違ったダイエットをすると、
筋肉が落ちてやせにくい体質に。

 

ムリにカロリーだけ減らすと、
飢餓スイッチオン = 肥満遺伝子オン
体が脂肪を貯めこむことに必死になり、太りやすくなりますよ遺伝子レベルで。

 

・果物、野菜、低GI値の全粒穀物

・良質のタンパク

・ココナッツオイル

・ω3脂肪酸

これらを意識的に食事に取り入れて、
脂肪を燃えやすく、
全身の健康遺伝子のスイッチがオン!


ハッピーな毎日を送りましょう。

 

参考文献

Canine Nutrogenomics, W jean Dodds, DVM著

 

 

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