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獣医さんがつづる犬の健康ブログ

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犬に至福のひとときを、ドッグフード選びの3つのポイント

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こんにちは、あじな動物病院の中西です。数あるドッグフードの中から、愛犬がいつまでも健康でいられるフードを見つけるコツはあるのでしょうか?今回は一般に知られる基準とは違った、犬が幸せになるドッグフード選びのポイントを3つご紹介します。

  

数あるフードから犬に幸せなフードを見つけるには?

 

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インターネットでオススメのドッグフードについて調べると、

・添加物、化学物質が入っていない

・人が食べる肉と同じ品質のお肉を使っている

・安い穀物を使っていない

このような基準にをもとにフードが紹介されます。品質の良いフード選びの基準にはなりますが、犬がもっと元気になるフードを選び出すには、全く別な視点が必要です。

 

飼い主の方に犬の健康に役立つフードを探し出すときに、獣医師の私は大きく3つのポイントをチェックしながらフードを選んでいることに気づきました。この3つポイントに気をつけならがドッグフードを観察すると、犬が幸せになる素敵なドッグフードをみつけることができますよ。

 

1  体に良い油、オメガ3必須脂肪酸がしっかり入っている

2  栄養素を壊さない調理法にこだわっている

3  犬の元気に必要な食材が入っている

 

順にご紹介していきましょう

 

オメガ3必須脂肪酸に配慮、質の良い油を使っている

 

「わざわざ値段の高い品質の良い油を犬の健康のためにフードの材料に使用」

 

ドッグフードを作っている方々が栄養学をしっかり勉強している証拠です。

 

油の中には「必須脂肪酸」と呼ばれる、食事から必ず取らなければならない生きるために「必須の」栄養素があります。

 

人も犬も

「オメガ6脂肪酸」は食べ過ぎ、

「オメガ3脂肪酸」が不足しています。

 

オメガ3脂肪酸が不足しやすい理由は

・価格が高い

・壊れやすい

からです。

 

オメガ3脂肪酸をしっかり含んだ食事を選ぶことは、それだけでも犬の健康を保つ大きな一歩です。

 

ドッグフードの原材料に

・アマニ油、エゴマ油

・サーモンオイル、フィッシュオイル

オメガ3脂肪酸の含まれているをこれらの油を使っている食事や、

・緑イガイ

・天然のお魚

・グラスフェッド(放牧されて自然の植物を食べている)の羊や牛

オメガ3脂肪酸を豊富に含む自然の食物をとった材料を使用したフードを探すことことが、ワンランク上の食事を探すポイントの1つ目です。

 

消化しやすくエネルギーになりやすいココナッツオイル、血管の老化を防ぐコールドプレスオリーブ油の入ったフードもこだわりを感じます。

 

油についてもっと知りたいあなたこちらの記事も参考にしてください 

d-monkey.hatenablog.com

 

栄養を壊さない調理方法

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犬の食事を作るために質の良い食材を使うなら、栄養を壊さない調理も大切です。犬の健康を第一に考えている食事は、栄養素をしっかり残しつつ犬がおいしく食べられるように作られています。特徴のある調理法のフードをご紹介しましょう。

 

冷凍生食

栄養素をできる限り壊さずに食材を保存する方法の一つに、「冷蔵・冷凍」があります。調理はされていませんが、犬に必要な食材を混ぜ合わせて凍らせた食事が、「冷凍生食」です。毎日お刺身を食べる日本人のイメージに近いですね

 

栄養も酵素も壊れずに食事に残っています。しかも内臓や骨も材料に含まれており、獲物まるごと食事にしたような、オオカミに近い肉食系のゴハンが大好きなワンちゃんにおすすめ。味付けや調理でごまかしが効かない、食材で勝負のお食事です。

 

 

逆によく煮込んだ穀物やお肉が体に合うワンちゃんもいますので、高齢犬や寒がりの犬、おなかの弱いワンちゃんは注意が必要です。

フリーズドライ

食材を急速に凍らた後に真空中で乾燥し、材料の色・香り・栄養をできる限り残した調理法の食事です。ビタミンCなどの大切な栄養素が壊れにくく、微生物も繁殖しにくいため、栄養価が高く長期保存も可能なとても便利なゴハンです(※1)。

 

フリーズドライのフードを粉々にして水とよく混ぜていると、なんとも良い香りがしてきて食欲をそそります。鼻の効くワンちゃんですから「食事の香り」も大切な楽しみですね。

 

ニュージーランドで自由に育った家畜のお肉を使用、心臓や腎臓などの内臓や骨、血液、元気なふわふわの毛に必要な昆布や皮膚が元気になる玉子、関節の元気のもとの緑イ貝も入ったフリーズドライ、犬がムキムキになる美味しいお食事。

 

エアドライ

古来、お肉や魚を長期に保存するために、干して乾燥させて「干し肉、干し魚」にしていました。天日に干すことで「グルタミン酸」や「イノシン酸」などのうまみ成分が作られ、おいしさが増す調理法です。加熱をせずに乾燥させるだけのため、ビタミンC以外の栄養価が損なわれにくい調理法です。(※2)

 

ニュージーランドの自然の恵みをエアドライ、ジャーキーみたいな美味しいお食事。

 野生のパワーみなぎる鹿さんをご紹介。

 

低温加工

一般的なドッグフードは120度から160度という高温で加工され、カリカリの状態になります。加工されることで味、香り、そして栄養素が壊れてしまいます。100以下の低温で調理し、味や風味、栄養素をなるべく壊さないように作られた食事です。

 

 

テリーヌみたいな新食感。みずみずしさあふれる特徴的なワンコのお食事。

無添加ドッグフード・キャットフード通販「ブッチ・ジャパン」

  

無加水調理

うまみと栄養をぎゅっと凝縮するために水を加えず低温で調理したワンコのお食事です。胃の中で膨らみにくいので胃に負担をかけず、胃捻転や胃拡張になりにくいのが特徴の一つ。

 

コールドプレス(熱をかけずに油を絞り出す方法)の良質なサーモンオイル、亜麻仁油、オリーブ油を使った、犬先進国のドイツの犬ゴハン。地味にコスパ高し。

 

製造法にこだわった食事は、原材料の栄養を壊さず、おいしさも兼ね備えた元気な食事の目安になります。

 

入っていると幸せな食材 

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犬の健康を追求すると、生物学・栄養学・薬膳学的に入っていると幸せな食材が存在します。犬の元気のもとになる、フードに入っていると幸せな食材をご紹介します。

 

昆布

犬は、人や猫に比べて甲状腺のホルモンが足りなくなる病気「甲状腺機能低下症」の発生が多い動物です。この甲状腺ホルモンを作る材料になる大切な栄養素がヨード。そしてヨードを豊富に含む犬にとって大切な食材が昆布です。

 

プレミアムフードと呼ばれる高価で質の良い食事には昆布や海藻が材料に含まれていることに気付きます。昆布には体から悪い物質を追い出す「デトックス」作用もあり、犬の食事に是非加えたい食材なのです。

 

犬に与える昆布の量の目安は

小型犬では小さじ1/8〜1/4程度です(※3) 

 

「栄養を壊さない調理法」でご紹介したバーフダイエットケーナインナチュラルにも昆布が使われています。

 

手作り食や今のフードに昆布をトッピングするなら、きれいな海で取れたオーガニック昆布を使用したこちら

シーアンドアール (C&R) シーオーガニック M 107g(旧SGJプロダクツ)
 

 

内臓

薬膳の世界では「弱っている内臓を食べましょう」という考え方があります。肝臓が弱っているならレバーを、心臓が弱っているなら心臓(ハツ)を食べるわけです。

 

いい加減そうに聞こえますが、例えばハンプという心臓のお薬があります。心臓のお薬なのですが、もとは心臓から分泌されるヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドという成分がおくすりになったのです。内臓で作られるホルモンや栄養素が、体に元気をしてくれ、場合によっては薬になる一例です。

 

 ところが、内臓は腐りやすく食事の安全性を考えるとなかなか食材として使いにくいものです。その困難を乗り越えて犬の食事の材料に動物の内臓を使用している食事は、犬を元気にしてくれる食事の代表格と考えらるのではないでしょうか。

 

小型犬に丁度良い量を手に入れにくく、すぐ傷んでしまう内臓をうまく利用するために、内臓の入ったフードをうまく使ってみましょう。

 

terra-pura.com

 

グラスフェッドのお肉

自然に生えた植物を自由に食べて育った羊や牛の肉は、サプリメントのいらない栄養たっぷり・ヘルシーな食材です。

 

グラスフェッドのビーフを例に取ると、

・体にたまりやすい悪い油が少ない

・βカロチンやビタミンEが豊富

・体に良いオメガ3脂肪酸が豊富

・カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが豊富 (※5)

良いことずくしです。

 

「グラスフェッド」というキーワードだけで、犬に幸せなフードを絞り込むやすくなります。今回の記事でご紹介しているケーナインナチュラルや、Ziwi Peakなどが、グラスフェッドのビーフやラムを使用しています。

 

毎日の食事と元気の秘訣 

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犬が元気になる食事を選ぶポイントをご紹介しましたが、毎日の食事の秘訣を簡単にご紹介しましよう。

 

一種類のフードにこだわる必要がない

あなたは一種類のフード、一種類の味をずっとあげていませんか?なぜ人は同じものばかり食べていると飽きるのでしょうか?栄養素が偏らないためです。

 

どんなに良いドッグフードをたべていても、一種類の食事をずっと続けていては犬でも栄養に偏りが出る可能性があります。

 

特に食事にアレルギーがないのであれば、日替わり、あるいは週替りで、フードを変えて犬と一緒に食事を楽しみましょう。

 

人が毎日食材を30品目と言われるように、ワンちゃんもさまざまな食材・フードから、いろいろな栄養素を偏りなくとることはとても大切なことです。

 

ちなみに私は、フリーズドライの食事をビーフとラムを交互に、忙しくて時間がないときは低温調理の七面鳥とサーモンのウェットフードを使っています。

 

なるべく小さいサイズを新鮮なうちに

最初にご紹介したオメガ3脂肪酸のように、体に必要なのに壊れやすい栄養素がたくさんあります。

 

容器を開けて空気に触れた時から栄養素は壊れていきますので

・なるべく小さいサイズのフードを買う

・袋を開けたらなるべく早く食べきる

・ジップロックなどで小分けにして冷蔵庫や冷凍庫で保存する

せっかくの栄養素を壊さない秘訣です。

 

良い食材に元気な食事をトッピング

フードに全卵が入っていても、生みたての卵をその日に半熟卵にして食べた時の栄養にはかないません。野菜も旬が一番ビタミンもミネラルも豊富です。

 

ワンちゃんが喜ぶ体に良い食事を見つけたあとは、そこに元気な食材をちょこちょこ足してあげましょう。

 

トッピングすると幸せな食材はこちらの動画でご紹介しています。

 

私は毎朝、愛犬達一緒に半熟卵と旬の果物か野菜を一緒に食べます。

 

まとめ

 

犬が元気になる食事を選ぶポイントは、

・犬の体に良いオメガ脂肪酸を含んだ油、食材を使っている

・栄養を壊さない調理法で作られている

・海藻や内臓、グラスフェッドのお肉など、犬を元気にする食材を使っている

この三つを基準に、ワンちゃんの食事を眺めてみましょう。

新しい発見がありますよ。

 

参考文献

1 コスモス食品HP フリーズドライって何? 

http://www.cosmosfoods.co.jp/freezedry/whats.html

2 ZIWI HP エアドライ製法

http://ziwipeak-jp.com/about-ziwipeak/airdry

※3 The Pet Lover's Guide to Natural Healing for Cats and Dogs; Barbara Fougere

※4 ヒルズ・コルゲート HP ダームディフェンスより

https://www.hills.co.jp/dog-food/pd-derm-defense-canine-dry

※5 S.K. Duckett et al, Journal of Animal Science, June 2009, “Effects of winter stocker growth rate and finishing system on: III. Tissue proximate, fatty acid, vitamin and cholesterol content.” British Journal of Nutrition (volume 105, issue 1), Nutrition Journal 2010 9:10