今朝ふと思い出したお話。
とある大学病院の循環器科。
「回診」の時間に、先生が患者さんを回って聴診していく。
「うーんこの心臓の音は肝臓が悪いかもしれない。血液検査で肝臓の検査をしてみましょう。」
たまたま漢方の勉強に来ていた先生が、その言葉を聞いて感動した・・・というエピソード。
当時(8年ほど前?)は「ふーんすごいねー」ぐらいだったのですが、
今考えると、キュウリに鍼治療するぐらいの達人芸だなと。
毎日何百という人の聴診をし続け、
わずかな音の違いに「なぜ?」と問う。
気の遠くなるほどのその繰り返しでしか身につけられない技。
音は違っていても、心臓が悪くなければ循環器科としての仕事はそこで終わってもいいはず。
それを問い、違いがわかるまで突き詰める。
聴診から体の全体を感じ取ろうとする研ぎ澄まされた集中力
いやはや。
「ザ・レジェンド」
漢方の先生が感心するのも今ならうなずけます。
局所を見て全体を見る。
体の一部の変調は、他の場所ともリンクする。
例えば皮膚の不調が、胃腸の疲れとつながっている。
最近目やにが増えた子が、肝臓が悪くなっている。
病気が治らないと、薬を変えることに躍起になって、
生物としてどうバランスが崩れているのか考えられなくなることが日常茶飯事な自分。
「全は一、一は全」とはマンガの「鋼の錬金術士」の言葉だったでしょうか。
寄って見て、離れて診る。
熱中したら、冷めて観る。
言うのは簡単だなあ〜。
頑張ろ。